私自身、トリリンガル子育てにおける言語方針について、ものすごく悩んだ時期がありました。
「家庭でどういう言語を使えばいいの?」「混乱しないの?」など、子育て幸せのレシピさん↗ のブログをみたり、Pinnapo book cafeさん↗のブログで情報を集め、少しずつ手探りで進めている状態です。
とくに困っていたのは、「三人で話すときに、誰が何を話すのか?」これは、みなさんどうされているのか情報が見つからず苦労しました。
夫のハンガリー語愛が強すぎて、スウェーデン語や日本語では話してくれず、息子と二人だけでハンガリー語で会話していた時期があり、私は蚊帳の外という感じで、とても悲しい気持ちになりました😭
夫と話し合い、ハンガリー語で話したあと、かいつまんでスウェーデン語か日本語に訳してくれるようにはなりましたが、今でも他のトリリンガル家族がどうやって会話しているのか、トリリンガルファミリーに会うたび聞いてしまいます・・・。
今回は、そんな私たち家族の実例として、わが家がどのように3か国語で子育てしているかをご紹介したいと思います!
わが家の言語方針

スウェーデンで生まれ育ったハンガリー人の夫いわく、「スウェーデン語は学校で自然と身につくから、家庭ではその分ハンガリー語と日本語を頑張った方がいい」とのこと。これにより、我が家では以下のような方針になっています:
- パパ:息子にはハンガリー語で話しかける
- ママ:息子には日本語で話しかける
3人で一緒に話しているときは、パパがハンガリー語で話した内容を、かいつまんでスウェーデン語や日本語に訳してくれています。
ちなみに、夫は3か国語どれも堪能。私は日本語がネイティブで、スウェーデン語は日常生活に困らない程度、ハンガリー語はほんの少し理解できるレベルです。
現在の言語状況(2歳2か月)

3か国語で子育てしていると「発話が遅れるのでは?」と心配になることもありましたが、2歳になる少し前から息子は3つの言語を混ぜながら2語文や3語文?を話すようになりました。
話す相手や場面によって、使う言語を自然と切り替えていることもあり、驚かされます。
特にハンガリー語の語彙力が高く、夫によれば「けっこう難しい単語も使いこなしている」とのこと。
スウェーデン語は保育所の影響で徐々に触れる機会が増え、日本語も家庭での会話や絵本を通してしっかりと育っています。
例えば、息子はこんなことを日常的に話しています。
- 新幹線 べセル(hu の 乗る)→ 新幹線に乗る
- ママ インテ(sw の not) テイ(hu の 牛乳)→ ママは牛乳を飲まない
- 自分の名前 コッラ トーゲット (sw の 見る と電車)→ 自分が電車を見る
- はみがき いらん
各言語との接し方

それぞれの言語と、どうやって息子が接しているか少し紹介します!
我ながらすごいと思うのが、夫のハンガリー愛で、どんな場面であっても息子がいると、ハンガリー語で話しかけています。例えば、保育所で先生やお友達が一緒にいる場面では、私は完全にスウェーデン後に切り替えますが、夫はハンガリー語で話した後スウェーデン語に訳しています。
親戚が集まる場面でも、夫の姉は完全にスウェーデン語に切り替えて話しますが、夫はハンガリー語で話した後、スウェーデン語に訳すことが多いです。
そして何より、常にハンガリー語で話しかけていて、2人が一緒にいて沈黙になるのをあまり見かけたことがありません・・・。私は会話に入りずらいので、別行動になることもしばしば👽
という夫の努力もあり、息子の第一言語は、絶賛、ハンガリー語となっています。
スウェーデンに住むのだから、スウェーデン語が一番強い方がいいと思っていましたが、カミンズの「発達相互依存仮説」にもあるように、第一言語の認知能力が発達しているほど、第二言語の習得も容易になるはずということで、今では、「ハンガリー語でもいいか、がんばれ!」というスタンスに落ち着いています。
日本語
- ママが日本語で話しかける
- 日本語の絵本を読み聞かせる(ダイアロジック・リーディング)
- 日本語の子供向けYouTubeを見せる
- パパとママが日本語で会話
- ママの家族や友達と日本語で会話
ハンガリー語
- パパがずっとハンガリー語で話しかける
- ハンガリー語の絵本を読み聞かせる
- ハンガリー語で状況を説明する(息子のお気に入り)
- ハンガリー語の歌を一緒に歌う
- 家の中でハンガリー語の会話をよく聞く
- YouTubeもハンガリー語の番組を選ぶ
- パパの家族や友達とハンガリー語で会話
スウェーデン語
- 保育所でスウェーデン語を聞き、話す
- 保育士さんやお友達との会話が中心
- 保育所でも絵本をたくさん読んでいる
- 家でもパパとママがたまにスウェーデン語で話す
成功の秘訣(絵本の読み聞かせの工夫)

おこがましいかもしれませんが、今のところうまくいっている要因のひとつは絵本の使い方だと思います。
生後5か月くらいから、0〜2歳向けの日本語絵本を読み聞かせてきました。今でも朝晩の授乳の際には、絵本を読むのが習慣になっています。
自然と本に興味を持ち、イラストを見ながら多くの単語を吸収しているようです。最近では5〜6歳向けの絵本にも興味が出てきていて、「バーバパパ」シリーズや「三匹のこぶた」もお気に入り。狼が出てくる場面では「怖い」と自分の感情を言葉で表現するようにもなってきました。
自分の感情を、的確に表現することは、ストレスを軽減するので、小さい時期から練習しておくことはいいことだと思います。
アメリカで主流の「ダイアロジック・リーディング」という読み方も取り入れていて、絵本を一方的に読むのではなく、子どもと対話しながら進めています。
たとえば:
- 「豚さんの服は何色?」
- 「このシーンで狼さんは何をするんだった?」
- 「この前、私達もゴミ収集車みたね、大きかったね。」
など、問いかけながら読むスタイルです。息子が自分で話したそうにしていたら、それを優先。
ちなみに保育所でも読書が推奨されていて、夫も毎日、最低3冊は絵本を読んでるようです。
加藤 映子さんの「思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ」では、年齢別のおすすめの話しかけ方や、おすすめの本が紹介されていますよ。
私もこの本をもとに、ダイアロジック・リーディングを実践しています!
遊びと想像力を広げる絵本

言語能力だけでなく、遊びの中での発想力も豊かです。たとえば電車や車などの乗り物が大好きで、日本語の「はたらくくるま」の歌↗もお気に入り。
勤勉に働く姿は、日本人!笑
遊びながら、言語を混ぜながらではありますが「ぼくが仕事している!」というように、遊びと言葉を結び付けているようです。
また、保育所ではけを見つけたときに、絵本で読んだ「電車に色を塗るシーン」と関連付けて、ハンガリー語で「ぼくも電車に色塗ってるの!」といったこともありました。
自分でお話したり、状況を説明したりすることが大好きで、保育所でもよくおしゃべりしているようです。
そして最近では、ぬいぐるみやおもちゃに話してほしいということが多くなり、息子の中で想像の翼が大きく羽ばたいていることを感じます。そして、身の回りの色々なものに命が宿っているという考えは、日本の八百万神を想起させ、大切な日本の魂を受け継いでもらえたようで、とてもあたたかい気持ちになりました。
ファンタジーと言えば、ハリーポッターくらいなものでしたが、最近では息子のために読む絵本に、ほろりと涙を流してしまうこともあり、絵本の魅力を再発見しています。
「海外在住でもあきらめない!日本の絵本を手に入れる7つの方法」では、海外に住んでいても日本語の絵本を入手する方法を紹介しています。あわせてご覧ください📚
まとめ
日々増える、息子の三言語が混ざった発言には、私たちも驚かされる毎日で、日本語、ハンガリー語、スウェーデン語の、三か国語を理解している人なら、息子の会話はとても面白く感じると思います。笑
保育所の先生もおっしゃっていましたが、子供はかなり早い段階から言語を使い分けることができるそうなので、きっと3歳になる頃には、また違うスタイルの話し方をしているんだろうなぁ。
わが子ながら、その柔軟さと吸収力には感心することばかり。今後どう言語が育っていくか、とても楽しみです!
そんな私の尽きない悩みは、やはり三人で会話している時、何語になるかということ。きっとちゃんぽんになると思いますが、ハンガリー語が多くなると、ますます会話についていけない👽
ある程度仕方ないし、息子が訳してくれる日が来るのだろうか?
そして、言語習得といえば、スウェーデンに引っ越してから、日本とスウェーデンのダブルの方に会う機会が何度かあり、みなさん日本語がもっと話せるようになりたいと言っていました。
日本語が話せるという能力は、親からの一番のプレゼントかもしれません。
ということで、これからも絵本やアンパンマンの力を借りながら、息子の日本語教育を頑張っていきたいと思います!
おすすめの日本語に触れる方法などあれば、ぜひ教えてください😊🪄
それでは最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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